社員に利益を還元するメリット3つ！還元のアイデアも紹介

内部留保以外で、利益を効率よく使う方法に悩んでいる経営者は多いでしょう。利益を社員に還元すると、モチベーションアップや生産性向上などさまざまなメリットがあります。ただし、還元方法を誤ると余計なコストがかかる可能性があるので、注意してください。

本記事では、社員に利益を還元するメリットを解説します。利益を還元する際のアイデアも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

社員に利益を還元するメリット3つ

社員に利益を還元するメリットは、主に以下の3つです。

• 社員のモチベーションアップになる
• 生産性の向上につながる
• 社会的責任（CSR）の履行になる

会社のさらなる成長につながる可能性があるため、ぜひ検討してみてください。

1. 社員のモチベーションアップになる

利益を社員に還元したことをしっかりと伝えれば、モチベーションアップにつながる可能性があります。社員は自らの仕事が報われた気持ちになるでしょう。その結果、働きがいのある職場と感じて、離職率の低下にもつながります。

また、社員への利益還元をよくしている企業だと知られれば、社員が家族や友人などの知り合いに自社を紹介して、新規採用の応募者増加につながることも期待できます。より良い人材と出会えれば、さらに事業の成長が見込めるようになるでしょう。

2. 生産性の向上につながる

社員に利益を還元すれば「もっと成果を上げて多く還元してもらおう」と考えるようになり、生産性の向上にもつながります。利益が多く出たらしっかり還元する必要はあるものの、利益額は上がっていくので、良い循環を生み出せるでしょう。

3. 社会的責任（CSR）の履行になる

社員に利益を還元することは、狭義ではあるものの社会的責任（CSR）の履行のひとつに該当します。

社会的責任（CSR）企業活動において、社会的公正や環境などへの配慮を組み込み、従業員、投資家、地域社会などの利害関係者に対して責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことを求める考え方 引用：厚生労働省

上記に記載のとおり、CSRの対象には従業員も含まれているため、企業は責任ある行動と説明責任を果たすべきです。

CSRを遵守していれば社会的評価の向上にもつながり、対外的な信頼関係を築きやすくなります。結果として新規の取引先が増えて、利益の増加につながる可能性もあるでしょう。

社員に利益を還元しないと起こること

利益が出たとしても社員への還元を怠ると、以下のようなことが起きる可能性が考えられます。

• 社員のモチベーション低下による離職率の増加
• 社員の生産性低下による利益の減少
• 利益を還元しない会社だと知られて新規採用の応募者数の減少

社員のモチベーションが低下すれば生産性も下落し、中長期的に見ると利益が減少することにつながります。社内の雰囲気も悪くなって離職率が増加し、社員が定着しなくなり、さらに利益が減少するという悪循環に陥りかねません。

短期的に利益を上げられた場合は、中長期的な成長を見据えて、社員に還元することを検討してみてください。

社員に利益を還元するアイデア3つ

「社員に還元することが重要」といっても、具体的にどのようにすればわからない経営者は多いでしょう。そこで、社員に利益を還元するアイデアを3つ挙げてみました。

• 利益賞与の支給
• 社員旅行の実施
• 福利厚生サービスの拡充

金銭面以外の方法もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 利益賞与の支給

特別賞与として、金銭を支給して利益を還元する方法があります。特別賞与という形で給与を上乗せして支給されることで、従業員の満足度向上だけでなく、自社は儲かっているというイメージを持ってもらえます。給与面を理由に離職する社員数を減らすことにつなげられるでしょう。

ただし、特別賞与も給与と同じ扱いなので、企業側の社会保険料の増加と社員側の税金負担は増える点には注意してください。

2. 社員旅行の実施

社員旅行を実施する形で、利益を還元するのもいいでしょう。非日常で贅沢な体験を社員にしてもらえれば、会社に対する満足度向上が見込めます。

ただし、社員旅行の費用を福利厚生費として計上する際は、以下の条件を満たす必要があるので注意してください。

• 4泊5日以内
• 社員の50%以上が参加している

加えて、対象が役員だけだったり取引先への接待を目的としていたりする旅行は、社員旅行として認められない点も理解しておきましょう。

社員旅行をより充実したものにさせるのであれば、社員とともにレクリエーションをして、かかった費用を交際費として経費にするのもよいでしょう。社員との交流を深めることができ、仕事をより円滑に進められる効果が見込めます。

3. 福利厚生サービスの拡充

さまざまな福利厚生サービスを充実させて、福利厚生費を増やすことで利益を還元するのも、有効な施策です。従業員の満足度が高まる福利厚生には、以下のようなものが挙げられます。

カテゴリ	福利厚生の内容
通勤	電車の定期券代や車のガソリン代などを負担する
住宅	家賃補助や社宅の用意などをする
健康	健康診断や人間ドックなどにかかる費用を負担する
育児	ベビーシッターを雇ったり、託児施設を用意したりする
慶忌	結婚や出産などへのお祝い、身内の不幸などに対する見舞金などを支給する
学び	資格取得や試験の受験、教材費などを負担する
ケガ・病気	ケガや病気などにより働けなくなった際に、休業補償を支給する
退職	退職金を手厚くする。また、退職前に亡くなった場合でも死亡退職金という形で支給する

どの福利厚生サービスを導入すべきかわからない場合は、社員に対してアンケートを取ったうえで決めるのもよいでしょう。

なお、福利厚生を手厚くするのであれば法人保険の活用を検討してみてください。従業員がケガや病気などにより働けなくなったとしても、保険金により休業補償の支給が可能です。また、貯蓄性の高い保険を契約すれば、社員や役員への退職金に充てられます。

万が一に備えることを目的に、結果として社員にも還元できます。

社員への還元を充実させて利益を有効活用しよう

会社の利益がしっかり出た際に社員へ還元すればモチベーションアップにつながるだけでなく、生産性の向上も期待できます。還元する際の有効な方法は、特別賞与としての支給や社員旅行の実施、福利厚生サービスの拡充などが挙げられます。

社員の声を聞きながら適切に利益を還元し、事業を効率よく成長させていきましょう。

社員へ還元する手段として福利厚生を手厚くするのであれば、ケガや病気にも備えられる法人保険の契約をご検討ください。社員は安心して働けるようになるので、モチベーションへの向上にも寄与するでしょう。